外国文献
腎不全の長時間透析,他
pp.415-418
発行日 1963年3月20日
Published Date 1963/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203055
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
慢性腎不全は従来の人工透析ではなかなかよい成績を収めえない.そこでKolff twin coilの人工腎を用い,permanent Teflon A-V シャント応用,Scribner法で24時間連続透析,6-7日の間隔で,数回ないし30回行ない,治療期間数週ないし30週という方法を考案し,腎孟腎炎・慢性腎炎・嚢胞腎などの慢性腎不全13例にこころみた.数週の間に数回の長時間透析にとどまつた3例はすべて死亡した.これは従来の透析法に著しい優位でない.もつと透析をつづければ希望がもてたと思われたが,透析をつづけえず死亡した2例がある(8〜16週の治療),15-30週に亘つてくりかえし透析をつづけることができた6例は症状改善し,すべて生存しえている,この成績で見ると忍耐つよい長い長い期間の透析のみが,生命を延長させうるにすぎないようである,毎回の透析で血清尿素Nは70mg以下に低下せしめられ,Kは5.4以下となり,CO2は22以上となつて,つまり透析の目的は果している.1回の透析で平均75mgの尿素が除去されている.しかし透析後にはしばしば貧血が見られた.体重は平均して6-10ポンド減少している.合併症はTeflon A-V短絡の感染が最も危険であつた.短絡の凝固も注意して除去しなくてはならなかつた.こうした局所合併症以外では,脱水,血圧充進,出血傾向などが少なからず合併し,それぞれ治療を必要とした.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.