Japanese
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臨床病理 リンパ節の腫瘍―病理より臨床にささげる
第5回 いわゆるHodgkin病の剖検例にもとづく病理組織学的吟味が教えるもの
Evaluation of Hodgkin's Disease, based upon the Autopsy materials.
所 安夫
1
Yasuo TOKORO
1
1東京大学医学部病理学教室
pp.783-791
発行日 1961年9月20日
Published Date 1961/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202815
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Ⅰ.
前回におきまして,私はいわゆるHodgkinという人名のついた疾患の歴史を古い時代にたずねて,その生い立ちの記の中にひそむ微妙な盲点にふれ,一つの疾患が歴史の事実の積み立てによつてその後どのように真理に近づいたり真理から遠ざかつたりするものか,ふとした思い付きめく先人の提言が組織学的本態のよみとりに如何ばかり不幸な采配をふるつていくものか,ともあれ人名のついた疾患をその人名でよんですませるような事態は,いかに改められねばならないか,──そのようなことをこまごまと書きならべ,──決して充分とはいえない過去の業績の一瞥すらも,病理学に課せられた臨床家への献身の厳粛さをまざまざと教えるものだ,という事を自分で自分にいいきかせ,人にも亦聞いてもらいたい,と思つたのでした.
いわゆるHodgkin病が,今日あるがままの姿になつたその過去の履歴書は,また機会をみて将来自由に,足らざるを足し,加うべきを加えたいと念じます.
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