Japanese
English
症例
上腕骨尺側上顆骨折片の関節内嵌入例
A. Intraarthric Incarceration of Bone Piece in Fracture of Epicondylus Ulnaris Humeri
亀卦川 滋
1
Shigeru KIKEGAWA
1
1国立鳴子病院外科
1Surgical Clinic of Naruko National Hospital
pp.345-347
発行日 1956年5月20日
Published Date 1956/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201807
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上腕骨尺側上顆骨折は上腕骨下端骨折中,顆上骨折及び外顆骨折に次ぐ頻度を有するもので,上腕骨下端骨折中,10〜8%を占めると云われ,日常吾々のしばしば経験するものであるが,その骨折片の肘関節内に嵌入することは比較的稀である.すなわち井上によれば全肘関節部骨折175例中,尺側上顆骨折は11例であり,その中骨折片の関節腔内に転位し上腕骨滑車及び尺骨頭との関節間隙に嵌入せるものは2例だけである.私は最近上腕骨尺側上顆骨折で,骨折片が関節内に嵌入し,接骨師による誤まれる治療により約4週間の時日を経過して裂離骨片に尺骨半月状切痕に癒着し,その手術,整復,治療にかなりの困難を感じた症例を経験したので簡単に報告する.
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