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特集 消化器外科における経腸栄養の意義と役割
胆道閉鎖症周術期における緑茶カテキンによる抗酸化療法
Effect of antioxidative therapy using catechin in perioperative patients with biliary atresia
田中 芳明
1
,
朝川 貴博
1
Yoshiaki TANAKA
1
1久留米大学医学部外科学講座小児外科部門
キーワード:
胆道閉鎖症
,
酸化ストレス
,
抗酸化療法
,
緑茶カテキン
Keyword:
胆道閉鎖症
,
酸化ストレス
,
抗酸化療法
,
緑茶カテキン
pp.1397-1403
発行日 2009年10月20日
Published Date 2009/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102723
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要旨:周術期の酸化ストレスに対する緑茶カテキンの投与効果を検討する目的で,胆道閉鎖症(以下,本症)術直後の13例(以下,投与群)を対象にカテキンを6か月間投与した.術前から術後6か月目までの肝機能,黄疸消失日数,ならびに血中superoxide dismutase(SOD)活性,尿中8-isoprostane,8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)濃度を非投与群11例(SOD活性,8-isoprostane,8-OHdGの測定は5例)と比較した.
その結果,投与群では術後1か月目のT. Bil,D. Bilが有意に低値を呈し,また黄疸消失が有意に速やかであった.酸化ストレスの指標では,両群間に有意差は認められなかったが,術後6か月時点の血中SOD活性,尿中8-isoprostane,8-OHdG濃度は非投与群が高い傾向を呈した.また,投与群では術後6か月目にはすべての酸化ストレスマーカーが術前値より有意に改善し,酸化ストレスの軽減が示唆された.しかしながら,すべてが基準値以上で,黄疸消失時においても未だ強い酸化ストレスが存在しており,引き続き長期にわたる酸化ストレスの制御を行っていくことが本症の予後に少なからず影響を与えるものと考えられた.
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