外科医局の午後・37
医者の不養生
岡崎 誠
1
1市立伊丹病院外科
pp.243
発行日 2007年10月22日
Published Date 2007/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101906
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昔から「医者の不養生」という言葉がある.本来,医療や医学の目的は病気を治療し,また病気の原因を研究して病める人を救うことであり,究極の目的としては人間の寿命を延ばすことであろう.医者はその最も先端にあり,一般人に指導すべき立場の人間であるから,理屈から言えば医者の平均寿命はほかの人々よりずっと長くて当然である.病気のプロであるからだ.ところが実際はその逆であり,むしろ一般人より寿命は短いらしい.理由としては過剰勤務やストレスが言われている.しかし原因はこればかりでなく,「医者の不養生」が原因ではないかということもしばしば見聞きする.
循環器専門の医者が妙に肥満であったり,「自分のライフワークは癌」と公言している医者が3時間も手術していると「けむり,けむり!」と言ってタバコを吸いに外にあわてて出て行ったりするのを見ると,思わず首をかしげたくなる.かくいう私も妻に指摘され,恥ずかしながら,メタボリックシンドロームと闘っている.
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