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あとがき
S. N.
pp.1063
発行日 1962年11月1日
Published Date 1962/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201370
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▶早いもので,今年もはや11月号である。昨年の脳神経外科学会の11のシンポジアムをまとめて特集としてきた「脳と神経」誌も,大きな成長とともに年輪をひとつ増そうとしている。脳神経外科学会といつても,わが国のNeurologyのメッカとでもいうべき学会であるだけに,その範囲も外科のみにとどまらず,あるいは内科的な立場にも,基礎的な研究にもひろがつてきている。今月号の特集「脳の血管性疾患」も,本誌の姉妹誌「神経研究の進歩」などがとりあげてきた広い意味でのNeurologyの立場からまとめられたシンポジアムである。外科医が内科医に,内科医が外科医にと,ひとつの目標のために意見をなげかけ合うことがたいせつであることは言をまたないところであろう。
▶第21回の脳神経外科学会は,10月の19目から3日間,三重大の山本教授のもとに,伊勢市で華々しく開催された。華々しいといつても,それは躍進を続ける日本の脳神経外科の研究内容のことであつて,開催地の伊勢は,いたつて静かな俗化しておらぬ閑静な門前市であつた。日本全国,北から南までの同志が,一堂に会しての学会は,旧年に劣らぬ盛会であつたが,街のただずまいや古い神社仏閣と,医学の最先端をゆく脳外科とのコントラストは,一風変つた趣きのあるものだつた。
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