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Seishin Igaku Volume 40, Issue 3 （March 1998）

精神医学 40巻3号（1998年3月発行）

Japanese English

研究と報告

成人病による慢性脳障害の画像疫学—第2報：大脳白質・基底核・脳幹障害の危険因子群のロジスティック解析 Statistical MR Image Analysis of Chronic Brain Damages Related to Adult Diseases (2): logistic analysis of risk factors for cerebral white matter, basal ganglia, and brain stem 苗村育郎 ¹ , 菅原純哉 ¹ , 菱川泰夫 ¹ Ikuro NAMURA ¹ , Junya SUGAWARA ¹ , Yasuo HISHIKAWA ¹ ¹秋田大学医学部精神科教室 ¹Department of Neuropsychiatry, Akita University School of Medicine キーワード： MRI , Statistics , Brain atrophy , White matter , Hypertension , Hyperlipidemia Keyword: MRI , Statistics , Brain atrophy , White matter , Hypertension , Hyperlipidemia pp.279-287

発行日 1998年3月15日 Published Date 1998/3/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904507

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　【抄録】計1,311例の精神科受診者でみられたMRI上の脳障害を分類し，これらに関与する可能性のある成人病などの危険因子を，ロジスティック回帰分析によって検討した。その結果，（1）高血圧は，大脳白質と基底核領域において，ラクナ（LI）やleukoaraiosis（LKA），T2 high intensity spot（T2 spot）などを生じさせる傾向が著明であるほか，側頭・海馬の萎縮とも有意な関係を持つことが示された。（2）アルコール過飲は，前頭・側頭の萎縮と脳溝および脳室系の拡大を生じる傾向が強い。（3）高脂血症はアルコール過飲と同様の前頭萎縮を生じるほか，大脳白質の外縁部と基底核領域にT2 spotを出現させる傾向がある。（4）糖尿病は，橋底部のLKAおよび大脳白質のLIと関連する。（5）基底核のLIとLKAは痴呆に有意な関連を持つ。大脳白質のLIとT2 spotは，grade 2以上であれば痴呆に関連することが示された。