Japanese
English
研究と報告
精神障害者の術前術後管理—MPUでの経験
Pre-and Post-operative Management for Psychiatric Patients: from the experience in medical psychiatric unit
中村 誠
1
,
野村 総一郎
1
,
郷原 道彦
1
,
岡本 浩一
1
,
松平 順一
2
Makoto NAKAMURA
1
,
Soichiro NOMURA
1
,
Michihiko GOHARA
1
,
Koichi OKAMOTO
1
,
Jyun-ichi MATSUDAIRA
2
1国家公務員等共済組合連合会立川病院MPU
2東京海道病院
1Medical Psychiatric Unit, Tachikawa Hospital
2Tokyo Kaido Hospital
キーワード:
Medical Psychiatric Unit
,
Psychiatric illness
,
Operation
,
Post-operative management
Keyword:
Medical Psychiatric Unit
,
Psychiatric illness
,
Operation
,
Post-operative management
pp.1251-1257
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903780
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 精神障害者が身体合併症の外科的治療を受ける場合,術前術後の精神症状管理が重要となるが,従来多くの症例に基づいてこの問題を検討した報告はない。本報告では我々の運営する身体合併症治療専門ユニット,MPUにおける128件の手術症例に基づく経験を示し,精神障害者の手術に際しての諸問題を論じた。精神科病名では精神分裂病が64.5%と最も多く,身体病名では悪性腫瘍,骨折が多かった。統計学的には術後に精神症状が有意に悪化するとの結果が得られたが,精神科的な変化がみられなかった例も多く,個々の例をみるとかえって改善した例もあり,精神障害者は外科的侵襲により精神症状が悪化するとの一般的結論を導くことはできない。精神症状が悪化し,身体管理が困難になった場合,思い切った抗精神病薬の増量が重要と思われたが,様々の治療的工夫によっても一般病棟での術後管理に限界があり,結果として身体病の経過にも危機的状況が生じるようなケースが存在することも事実であり,そのような場合の治療の場としてはMPUが適切であると思われた。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.