Japanese
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特集 精神科領域におけるインフォームド・コンセント
国連原則と我が国の精神科医の意識
United Nations Principles for Mental Health Care (1991) and the Outlook of Japanese Psychiatrist
山上 皓
1
Akira Yamagami
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所
1Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
Informed consent
,
Rights of psychotic patients
,
Competency to consent
Keyword:
Informed consent
,
Rights of psychotic patients
,
Competency to consent
pp.1311-1316
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903359
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精神科領域におけるインフォームド・コンセントの重要性が,欧米諸国において盛んに論じられるようになって久しい。イギリスでは,すでに1983年の精神保健法の改正に際し,第4章として「治療の同意」についての規定を設け,精神科治療において患者の人権に十分な配慮がなされるよう,細かな手続きを定めている。筆者は偶々,昨年ブロード・ムア特殊病院を訪ねた際にある精神科医の診察場面を見る機会を得たが,その時の服薬に関する問診の経緯から,同国におけるインフォームド・コンセントの原則の徹底ぶりに,強い印象を受けたことがある。
ひるがえって我が国の現状をみると,精神科医療におけるインフォームド・コンセントをめぐる論議は,まだようやくその緒に就いたばかりであり,1988年の精神衛生法の改正によって改善がみられたとはいえ1),医療の現場がなおパターナリズムの強い影響下に置かれていることは,我々の行ったアンケート調査からも容易に読み取ることができる。
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