Japanese
English
研究と報告
精神分裂病患者の聴覚性文章記憶と視覚性図形記憶
Auditory Sentence Memory and Visual Design Memory in Schizophrenic Patients
松井 三枝
1
,
倉知 正佳
1
Mie Matsui
1
,
Masayoshi Kurachi
1
1富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
Schizophrenia
,
Auditory sentence memory
,
Visual design memory
,
Information processing
Keyword:
Schizophrenia
,
Auditory sentence memory
,
Visual design memory
,
Information processing
pp.609-613
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903257
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【抄録】 精神分裂病患者の文章記憶と図形記憶について,再生と再認双方を検討した。対象はDSM-Ⅲ-Rで精神分裂病と診断された16名と健常者16名。①文章課題として天気予報の話題で情動性の少ないニュートラルな短文を作成し,テープ・レコーダーで記憶文章を各対象者に聞いてもらい,その後,再生テストならびに再認テストを行った。②図形課題としてBenton視覚記銘検査図版10枚の10秒提示の即時再生ならびにmultiple choiceによる再認テストを行った。その結果,文章記憶課題では意味再生率と形式再生率ともに分裂病群のほうが健常群よりも有意に小さかったが,再認率には有意差がなかった。図形記憶課題では,再生において分裂病群のほうが健常群よりも正答数が有意に少なく,誤謬数が有意に多かったが,再認成績では有意差は認められなかった。以上の所見からいずれのモダリティにおいても情報処理過程における検索時の問題が示唆された。
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