Japanese
English
短報
妊娠を契機に解離性亜昏迷状態を呈した女性強迫性障害患者の1例
A Case of Dissociative Substupor with Obsessive-compulsive Disorder
吉田 卓史
1
,
多賀 千明
1,2
,
太田 純
1
,
津川 麻子
3
,
河瀬 雅紀
1,4
,
福居 顯二
1
Takafumi YOSHIDA
1
,
Chiaki TAGA
1,2
,
Jun OHTA
1
,
Asako TSUGAWA
3
,
Masatoshi KAWASE
1,4
,
Kenji FUKUI
1
1京都府立医科大学精神医学教室
2京都第二赤十字病院精神科
3花の木医療福祉センター
4京都府立精神保健福祉総合センター
1Department of Psychiatry, Kyoto Prefectural University of Medicine
2Department of Psychiatry, Kyoto Second Red Cross Hospital
3Hananoki Medical Center
4Kyoto Prefectural Center for Mental Health and Welfare
キーワード:
Obsessive-Compulsive Disorder
,
OCD
,
Dissociation
,
Substupor
,
Pregnancy
Keyword:
Obsessive-Compulsive Disorder
,
OCD
,
Dissociation
,
Substupor
,
Pregnancy
pp.1325-1327
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902756
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はじめに
強迫とは自分自身と環境をすべて一元的にコントロールすることにより,不安の解消を図ろうとする試みである6)と考えられている。一方,解離とは,ICD-10において記憶,同一性,意識,そして身体のコントロールの間の正常な統合が失われた状態と定義され,多元的な方向性をもつ傾向とされている。このように,強迫性と解離性は相反的な方向性をもつものと考えられている4)。
女性の強迫性障害Obsessive-Compulsive Disorder(OCD)患者では,妊娠を契機に強迫症状の悪化を来す例が多いことが知られている5)が,解離症状を呈したとの報告は知られていない。そこで今回,妊娠を契機に解離性亜昏迷状態を呈した女性OCD患者を経験したので報告する。
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