Japanese
English
短報
Quetiapineが有効であった抑うつ気分を伴う老年期妄想性障害の1例
Successful Quetiapine Treatment for Senile Delusional Disorder with Depressed Mood
和田 健
1
,
佐々木 高伸
1
,
吉村 靖司
1
,
撰 尚之
1
Ken WADA
1
,
Takanobu SASAKI
1
,
Yasushi YOSHIMURA
1
,
Hisayuki ERABI
1
1社会保険広島市民病院精神科
1Department of Psychiatry, Hiroshima City Hospital
キーワード:
Delusional disorder
,
Delusional depression
,
Quetiapine
,
Senile
,
Case report
Keyword:
Delusional disorder
,
Delusional depression
,
Quetiapine
,
Senile
,
Case report
pp.1017-1019
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902712
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はじめに
最近日本でも上市された非定型抗精神病薬は,錐体外路症状や過鎮静などの副作用を来しにくいという利点を有している。この特徴は副作用リスクの高い高齢患者に対してメリットがより大きいと考えられる。
また高齢発症の妄想性障害患者では,いわゆる妄想性うつ病との鑑別に苦慮する例や,二次的と思われる抑うつ気分を伴う例がまれではない。したがって抑うつ症状を悪化させない薬剤が望ましく,非定型抗精神病薬はそのような選択肢になりうる可能性がある1,2)。
今回我々は,抑うつ気分を伴った高齢発症の妄想性障害患者に対して少量のquetiapineが著効した1例を経験したので,報告する。
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