Japanese
English
特集 光と精神医学
睡眠の季節変動と光との関連
Seasonal Changes in Sleep and its Relation to Light
鈴木 正泰
1
,
内山 真
1
Masahiro Suzuki
1
,
Makoto Uchiyama
1
1日本大学医学部精神医学系
1Department of Psychiatry, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Seasonal changes
,
Seasonal affective disorder
,
Sleep duration
,
Sleep disorder
,
Light
Keyword:
Seasonal changes
,
Seasonal affective disorder
,
Sleep duration
,
Sleep disorder
,
Light
pp.891-896
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205878
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抄録 ヒトにおける睡眠の季節変動は,季節性感情障害との関連で研究されてきた。一般人口を対象とした過去の調査では,一貫して睡眠時間は夏に短くなり,冬に長くなることが報告されている。しかし,変動の大きさは調査地域の緯度によって異なり,日長の季節変化の違いが関連していると考えられている。最近筆者らが行った日本の一般住民を対象とした調査では,夏と冬の睡眠時間差は平均11.4分であった。哺乳類においては,外界の明暗リズムは体内でメラトニン分泌リズムに置換され,そのリズムパターンから季節を知り,生理機能や行動の変化が生じる。ヒトにおいても同様のシステムによって季節適応が行われると推測されている。睡眠時間や睡眠障害の季節性を明らかにすることは,より適切な睡眠指針の確立や社会システムの構築に重要であり,今後この領域の研究がさらに発展することが望まれる。
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