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私のカルテから
WAISによる下位尺度の乖離から自閉性スペクトラム障害が疑われた下垂体前葉機能低下の1例
A Case of Hypopituitarism Suspected with Autistic Spectrum Disorder from the Result of WAIS Test
佐藤 晋爾
1
,
田口 高也
2
,
井出 政行
2
,
新井 哲明
3
Shinji SATO
1
,
Takaya TAGUCHI
2
,
Masayuki IDE
2
,
Tetsuaki ARAI
3
1埼玉県立大学保健医療福祉学部精神医学
2筑波大学附属病院精神科
3筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学
1School of Health and Social Services, Saitama Prefectural University, Koshigaya, Japan
2Department of Psychiatry, University of Tsukuba Hospital
3Department of Neuropsy chiatry, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
ACTH deficiency
,
WAIS
,
ASD
,
Cognitive dysfunction
Keyword:
ACTH deficiency
,
WAIS
,
ASD
,
Cognitive dysfunction
pp.379-383
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205369
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はじめに
自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断において,発達歴や特性の把握が最も重要であることは論をまたないが,一方で特に成人例で,発達歴の聴取が困難な場合などは,ASD診断を疑う契機あるいは補助材料としてWAIS-Ⅲの検査所見に注目することは臨床現場ではいまだあり得ると考えられる9)。しかし,ASD以外の疾患によってWAIS-Ⅲの下位尺度がばらつくこともあり得ることを知っておくことは,検査への過剰な依存への戒めとなるであろう。我々は,WAIS-Ⅲの下位尺度のばらつきなどからASDを疑ったが,入院後に下垂体前葉機能低下症であることが明らかになった症例を経験したので,文献的考察を加え報告する。
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