Japanese
English
短報
前交通動脈瘤破裂後精神症状を呈した1症例—特に記憶障害の変遷について
A Case of Psychiatric Symptoms after the Anterior Communicating Artery Rupture: A clinical course of memory disturbance
南 英五郎
1
,
早原 敏之
1
,
泉 弘文
1
,
松原 正
1
,
森岡 英五
1
,
細川 清
1
Eigoro Minami
1
,
Toshiyuki Hayabara
1
,
Hirobumi Izumi
1
,
Tadashi Matubara
1
,
Eigo Morioka
1
,
Kiyoshi Hosokawa
1
1香川医科大学医学部精神神経医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kagawa Medical School
pp.1095-1098
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204405
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I.はじめに
前交通動脈瘤の術後に時として重篤な精神症状がみられるのは,周知の通りで1,4,7),これらの症状が手術的侵襲によるものか,くも膜下出血によるものかは明確ではない。最近の術式の進歩により死亡率は激減したが,それだけに術後の社会復帰が重要な課題となってくる。動脈瘤による精神症状としては,術前術後に傾眠,せん妄,半昏睡などの意識障害と,抑うつ,不機嫌,多幸などの気分変調が存在し,健忘,Korsakoff症候群,性格変化などの中核群の他,神経心理学的症状もある。本稿では,これらの中核群ともいえる臨床症状の経過と共に記憶障害の性質に関し検討した。
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