Japanese
English
研究と報告
産褥期にてんかん性要因と心因が相交錯してけいれん発作と多彩なもうろう状態を呈した1症例
Convulsion and Twilight State with Epileptic and Hysterical Factors: A case report
加藤 秀明
1
,
植木 啓文
1
,
田村 友一
1
,
森 俊憲
1
H. Kato
1
,
K. Ueki
1
,
U. Tamura
1
,
T. Mori
1
1岐阜大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Gifu Univ. School of Medicine
キーワード:
Convulsion
,
Twilight state
,
Epileptic
,
Hysterical
,
Pueriperium
Keyword:
Convulsion
,
Twilight state
,
Epileptic
,
Hysterical
,
Pueriperium
pp.599-605
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203271
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抄録 産褥期(分娩1週間後)に約9日間にわたって,応答のない状態→強直間代性発作→運動不穏→昏睡様意識喪失→ヒステリー症状(片麻痺,円筒状視野狭窄,小児症,偽痴呆,心因性健忘)を呈した1症例(27歳,女性)を報告した。この症例には,①棘徐波放電が頻発し,脳波上はてんかんといってよいこと(てんかん性要因),②産褥期における高血圧性脳症的機能異常(身体的要因),③発症前後のヒステリー症状,十分な心因,人格特徴などからヒステリー的特徴も備えていたこと(心因)の3つの要因が,病因論的にも病像賦形的にも相交錯して,相補的に関与していた。その器質因と心因のとらえ方について論じた。
さらにとくに興味があった,①発作後もうろう状態,②てんかんとヒステリーの関連,③特異な心因性健忘(夫との結婚生活に関することのみの健忘)についてはそれぞれの観点からも検討した。
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