Japanese
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研究と報告
いわゆるVerkehrtsehenの臨床—第2報 倒錯視について
Clinical Evalution of Paroxysmal Horizontal or Vertical Inverted Vision: Ⅱnd Report
兼子 直
1
,
石原 修
1
,
佐藤 時治郎
1
Sunao Kaneko
1
,
Osamu Ishihara
1
,
Tokijiro Sato
1
1弘前大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Hirosaki University, School of Medicine
pp.385-394
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202304
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I.はじめに
1907年Kolb13)によりはじめて報告されたVerkehrtsehenを,視空間全体が発作性に上下逆転して知覚される倒錯視20)と,前後左右が逆転して知覚される逆転視あるいは発作性空間喪失19)とにWilderら28)が区別して以来,かかる体験の特異性については大脳病理学的見地からもかなり注目されてきた。しかし,症例の絶対数が少ないこともあり,その本態の解明は充分であるといいがたい現状にある。
しかし,その障害の原因を大脳-小脳-前庭器官などの複雑な神経系の障害に帰する考え方が次第に有力になりつつあるように思われる。今回,われわれは倒錯視について,脳の障害部位との相関に注目しつつ,自験例,文献例を中心に分析を試みたので報告をする。
ところで,倒錯視においても,第1報で述べた逆転視の場合と同様にてんかん性と考えられる症例が若干含まれており,非てんかん性の場合とは臨床症状を多少異にしているので,この点についても併せて検討をしてみた。
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