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特集 精神療法の技法と理論—とくに人間関係と治癒像をめぐって
第3回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
ユング派の分析における技法と理論—学校恐怖症児の事例を中心に
Theory and Practice in Jungian Analysis
河合 隼雄
1
Hayao Kawai
1
1天理大学学芸学部
1Tenri Univ.
pp.484-488
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201218
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この論文は,日本精神病理・精神療法学会第3回大会に発表したことを華にしている。しかし,学会抄録には一応理論的な考察を書いておいたが,発表当日は一つの事例を中心として具体的に述べたので,この論文においても,その事例を中心として述べ,それに理論的考察をつけ加えるようにする。なお,この事例は非常に簡単なもので,ユング(Jung)派の分析をこころみたといえるものではない。ただ,簡単ではあるが,そのなかに,ユング派の療法の特徴を示せる点があるので,とりあげたわけである。
事例:中学2年生の男子。本人の言葉によると「中間考査の成績が思いのほか悪かつたので」欠席しはじめ,66日間欠席,この間,教師が家庭訪問してもいやがつて会わず,一度は無理に登校させたが,2日間出席した後に,また欠席してしまう。本人は来診するのをいやがったが,母親がむりやりにつれてくる。なお,家は農業で,本人は一人子である。
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