研究と報告
ドイツにおける嗜癖の問題
Friedrich Panse
,
秋元 波留夫
1
1東京大学
pp.105-111
発行日 1966年2月15日
Published Date 1966/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200959
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ここに掲載する Panse教授の論説は,昭和40年11月16日,東大医学部総合中央館において,関東精神神経学会および東大精神医学教室の協催で,開催された東京医学会第1046回集会における講演の全訳である。
Panse教授は,現在のドイツ精神医学界の長老の一人であり,昨年から,全ドイツ精神神経学会の会長の任にある精神医学者である。
同教授は,1899年Essenに生まれ,MünsterとBerlinで,医学を学んだ後Bonhoeffer教授のもとで精神医学を学び,Charitéのクリニックの講師をつとめた後,第二次大戦後に新しく設立されたBonnのライン州立頭部傷害者療養所の所長をつとめ,1950年からDüsseldorf精神医学教室の主任となり,現在にいたつている人である。
同教授の業績は,多方面にわたるが,失語症,その他の脳病理学的研究,器質的脳疾患,あるいは嗜癖などの社会精神医学的問題,精神病院管理などである。日本滞在中は,東京,名古屋,大阪の客地で講演し,口本での歓待を感謝しつつ,11月末に帰独した。同教授は来年9月初めDüsseldorfで全独精神神経学会が開かれるので,日本からぜひ多数の精神医学者が出席するよう私から日木の同僚に伝えてほしいと希望していたことを付言する。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.