動き
精神医学世界連合について
三浦 岱栄
pp.772-773
発行日 1962年10月15日
Published Date 1962/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200491
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年6月モントリオールの世界精神医学大会のおりに,精神医学世界連合(World Assodation of Psychiatry, l' Association mondiale de Psychiatrie,Weltorganisation fur Psychiatrie)の設立が各国代表委員会で決議されたこと,ならびにその細則の決定は1962年にジュネーブで開かれる特別理事会で行なわれるはずであることなどについては,昨年の本誌7月号に,「第3回世界精神医学会に出席して」と題した私の寄稿の中ですでにのべたごとくである。その後日本精神神経学会の秋元理事長あてに,本年7月に予定のごとくジュネーブで特別理事会を開くので本邦からも代表者を送つてもらいたい旨の招請状がキャメロン会長からきたので,たまたまその時期に欧州に滞在しておられる中教授にわが国を代表して出席してもらうことが松本の総会の評議員会で決したこともご存じのことと思う。したがつて精神医学世界連合の細目は中教授の帰朝を待つて判明することと思うが,キャメロン会長はこれにさきだつて,なぜこんにちわれわれは精神医学世界連合を必要とするかという理由を詳細に発表されたので,以下簡単に紹介しようと思う。
精神医学世界連合はモントリオールにおける第3回精神医学世界大会(1961年6月)において設立された。精神医学の異例な発展を前にして,それは必然的な時期であつた。精神病の範囲の拡大の通俗的ならびに職業的知識が増大したので,精神科医,一般市民,政府および科学の連合した努力に訴えねばならぬことは明らかとなつた。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.