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資料
救命救急センターより紹介された思春期自殺企図例
The Youths with Attempted Suicide Consulted from an Emergency and Critical Care Center
土岐 茂
1
,
光元 麻世
2
,
日域 広昭
3
,
町野 彰彦
1
,
岡本 泰昌
1
,
谷川 攻一
4
,
山脇 成人
1
Shigeru TOKI
1
,
Mayo MITSUMOTO
2
,
Hiroaki JITSUIKI
3
,
Akihiko MACHINO
1
,
Yasumasa OKAMOTO
1
,
Koichi TANIGAWA
4
,
Shigeto YAMAWAKI
1
1広島大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経医科学
2広島県立総合精神保健福祉センター
3日域医院
4広島大学大学院医歯薬学総合研究科救急医学
1Department of Psychiatry and Neurosciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
2Hiroshima Prefectural Synthesis Mentel Health Welfare Center
3Jitsuiki Iin
4Department of Emergency and Critical Care Medicine, Hiroshima University
キーワード:
Attempted suicide
,
Youth
,
Consultation
,
Emergency medicine
Keyword:
Attempted suicide
,
Youth
,
Consultation
,
Emergency medicine
pp.151-156
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102385
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抄録
思春期は自我同一性確立と経済的自立,性成熟を果たす特異な発達段階である。自傷行為は女性に多く,発達課題における葛藤を回避し,周囲に援助を希求する側面もあるとされる。本稿では,X年1月から,X+3年2月の間に,救命救急センターより,当科へ紹介された20歳未満の自殺企図例15名(連続サンプル)に関して,自殺企図方法と治療状況,診断,転帰などを検討した。女性が8割を占め,両親の離婚を半数が経験し,相談相手を母親あるいは「いない」と答えていた。適応障害や解離性障害,情緒不安定性パーソナリティー障害の診断を受け,大量服薬していたものが9割であった。大都市圏に比べ,摂食障害・物質依存の合併や反復例の割合は少なかった。対人関係の悩みから,援助希求的に企図するものが多く,自傷への対処や情緒・衝動の制御,認知・行動の修正を中心に,対人関係技能や家族への支援も必要であると思われた。コンサルテーション・リエゾンサービスでは自傷状況の把握に努め,発達評価や家族力動の理解,医療福祉情報をかかりつけ医と患者,家族に伝えることで,長期の治療を支援することができると考えられた。
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