動き
「ハーバード大学でのTMS集中コース」に参加して
西多 昌規
1,2
1ハーバード大学医学部 ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター精神科
2現・東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 精神行動医科学分野
pp.406-407
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101196
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ハーバード大学医学部ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターにあるBerenson-Allen Center for Noninvasive Brain Stimulation(以下,CNBS)は,経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation,以下TMS)の臨床研究施設の1つとして非常に名高い。TMSの世界的権威,A. Pascual-Leone教授がdirectorを務めており,分子レベルの動物実験から,機能的MRI(fMRI)や高技術のナビゲーションシステムを駆使した脳機能画像研究,神経内科から精神科,リハビリテーション領域にわたる臨床的応用など,実に幅広くの研究を精力的に行っている。CNBSはTMSに関心のある医師・研究者に対して集中コース(Intensive Course in Transcranial Magnetic Stimulation)を年に3回行っているが,このコースに参加する機会を得たので,講習や実習内容などを簡潔に報告したい。
コースは2007年9月10日から14日までの5日間のスケジュールで行われた。参加人数は20名であり,アメリカからはもちろん,カナダ,ヨーロッパ,ブラジルからも参加者があった。参加者のプロフィールは神経内科医が多くを占めており,神経科学,認知科学,心理学の研究者,リハビリテーション医,精神科医といったところであった。年齢層も多岐にわたっており,若手だけでなく診療部長や准教授レベルのベテランも多数参加しており,臨床や研究での現場経験に基づいた意見を活発に出していた。
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