Japanese
English
特集 精神疾患に対する早期介入の現状と将来
学校現場と精神科臨床の連携
Importance of Coordination in School Mental Health
水俣 健一
1
Kenichi MINAMATA
1
1市立秋田総合病院精神科
1Department of Psychiatry, Akita City Hospital, Akita, Japan
キーワード:
School mental health
,
Psychiatrist as school doctor
,
School nurse
,
Special support education
,
School counselor
Keyword:
School mental health
,
Psychiatrist as school doctor
,
School nurse
,
Special support education
,
School counselor
pp.289-294
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101172
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はじめに
「学校精神保健における精神病,とりわけ精神分裂病への取り組みについては,これまで敬遠されてきたように思われる。その理由には,疾病そのものの抱える問題,社会的偏見,医療や学校側の問題などさまざまにわたるものがある。精神分裂病は思春期に発病するものが多く,100人に1人弱の発病率であり,思春期生徒の日常に学校生活が大きくかかわることを考えれば,精神病という理由で教育になじまないと考えるのではなく,学校精神保健で取り組む重要な課題の一つといわざるを得ない」。
この文章は,筆者が1997年つまり今から約10年前に当時勤務していた総合病院の医報に『学校精神保健における精神病への治療的関わりについて』という題で投稿した小論の冒頭である。振り返ってみれば,この10年間にスクールカウンセラー制度(1995年)が導入され,「精神分裂病」が「統合失調症」と呼称変更(2002年)され,特別支援教育制度が施行(2007年)されて,精神疾患と学校精神保健の状況は大きな変化をみせようとしている。
この特集で筆者に与えられた「学校現場における精神疾患に対する早期介入の現状と将来」というテーマについて,上記の視点をふまえて,精神科医の立場から検討してみたいと思う。
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