Japanese
English
研究と報告
本邦におけるMDMA関連精神障害の乱用背景・診断・治療の検討
A Clinical Study of Backgrounds, Diagnoses and Treatment of MDMA-related Mental Disorders in Japan
一ノ瀬 真琴
1
,
倉田 健一
1
,
清水 賢
1
,
中島 憲一郎
2
,
小沼 杏坪
3
Makoto ICHINOSE
1
,
Kenichi KURATA
1
,
Takashi SHIMIZU
1
,
Kenichiro NAKASHIMA
2
,
Kyohei KONUMA
3
1医療法人せのがわ瀬野川病院
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
3医療法人せのがわKONUMA記念広島薬物依存研究所
1Senogawa Hospital
2Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University
3Konuma Memorial Institute of Drug Dependence, Hiroshima Senogawa Hospital
キーワード:
3,4-Methylenedioxymethamphetamine
,
MDMA
,
Ecstasy
,
MDMA related mental disorders
,
3,4-Methylenedioxyamphetamine
,
MDA
,
Drug discrimination
Keyword:
3,4-Methylenedioxymethamphetamine
,
MDMA
,
Ecstasy
,
MDMA related mental disorders
,
3,4-Methylenedioxyamphetamine
,
MDA
,
Drug discrimination
pp.1105-1112
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100570
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抄録
近年,3,4-Methylenedioxymethamphetamine(MDMA)を主成分とする錠剤型合成麻薬が若者の間に急速に普及しているが,本邦におけるMDMA関連精神障害に関する実態はほとんど把握されていないのが現状である。本報告では,1998~2002年度の間に厚生労働省依存性薬物情報研究班(班長:加藤伸勝,事務局:国立下総療養所)に精神科協力モニター施設から報告されたMDMAの乱用・依存の事例に自験例1例を加えた計12例に関する依存性薬物情報報告書の項目について検討を行い,特に25~30歳代の若年層にMDMAの乱用が広まっている結果を示した。またその診断においてはMDMA精神病患者の毛髪からMDMA定量を行ったところ,その乱用の経過を正確に反映していることから重要な補助診断であると考えられた。最近,取締機関によるMDMAの押収量が急増していることからも,今後,MDMA関連精神障害(急性中毒,依存症,精神病)の患者が医療機関を受診する機会が急増することが予想され,医療従事者もその臨床上の特徴,診断,治療法を把握しておく必要があると思われる。
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