雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Seishin Igaku Volume 47, Issue 1 （January 2005）

精神医学 47巻1号（2005年1月発行）

Japanese English

研究と報告

Olanzapine服用患者における体重変化，耐糖能および脂質代謝の検討 The Effects of Olanzapine on Body Weight, Glucose Tolerance and Lipid Methabolism in Psychiatric Patients 安宅勇人 ¹ , 馬場元 ¹ , 稲見理絵 ¹ , 池田千佐子 ¹ , 東麻依子 ¹ , 大月亜希子 ¹ , 大沼徹 ¹ , 鈴木利人 ¹ , 新井平伊 ¹ Hayato ATAKA ¹ , Hajime BABA ¹ , Rie INAMI ¹ , Chisako IKEDA ¹ , Maiko HIGASHI ¹ , Akiko OHTSUKI ¹ , Tohru OHNUMA ¹ , Toshihito SUZUKI ¹ , Heii ARAI ¹ ¹順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院精神科 ¹Department of Psychiatry, Juntendo Koshigaya Hospital, Juntendo University School of Medicine キーワード： Olanzapine , Body weight , Glucose tolerance , Lipid metabolism schizophrenia Keyword: Olanzapine , Body weight , Glucose tolerance , Lipid metabolism schizophrenia pp.57-67

発行日 2005年1月15日 Published Date 2005/1/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100171

PDF(548KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

抄録

　Olanzapine(OLZ)内服中の入院患者50例(以下，入院群)，外来患者52例(以下，外来群)において，同剤の投与前後の体重，BMI，耐糖能，脂質代謝の変化を検討した。その結果，第一に体重は入院群と外来群ともに有意な増加を認め，その傾向は外来群で顕著だった。さらに外来群では血糖値の有意な増加を認めた。第二に上記の検討項目とOLZ投与期間および累積投与量との関係では，外来群で体重，BMIと累積投与量との間に有意な正の相関を認めた。入院群では明らかな相関を認めなかった。第三に入院の体重増加群では，経時的に急速に増加する群と緩徐に増加する群の2型が認められた。第四に，OLZ併用群が単剤群に比して体重増加の傾向が高いと思われた。以上から，OLZ内服に関連する体重増加や脂質代謝異常は外来患者でその傾向が明らかであり，適切な栄養管理が予防に重要であると思われた。