心室中隔欠損症の上大静脈血流速度波の検討

Superior vena cava flow velocity in patients with ventuicular septal defect

　我々は，カテ先ドプラ流速計を用いて人の種々の心，血管内の血流速度の記録ならびに測定を行って来た^1〜8）。

　上大静脈の血流速度波は，右房内の血流の変化を忠実に反映すると考えられ^9），従って，上大静脈血流速度波を記録し，時相による変化を分析することは，右心系の疾患の血行動態の解明に有用であると考えられる。

　今回，心室中隔欠損症の11例で，上大静脈血流速度波の記録を行い、正常および他の心疾患とは異った特徴ある波形がみられたので、その波形の成因について検討し，欠損孔での短絡血流の関与について検討したので報告する。

The phasic superior vena cava flow velocity (SVC flow velocity) was recorded by using Dop-pler flow-meter catheter in 11 patients with ventricular septal defect (VSD) and these records were compared with the records of 10 normal subjects and 80 patients with heart disease.