小特集 血流測定法と血流データ分析に関するゼミナール(第4回)報告書
午前の部 cardiac parameters
沖野 遙
1
1北大応電研
pp.286-297
発行日 1971年4月15日
Published Date 1971/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202251
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沖野(北大応電研)今日この題を選んだのは,最近心機能の判定に際して脈動現象の記録や分析が可能となってきたため,色々な新らしいparametersが提案され,心運動がdynamicに評価されつつある。そしてこれらのparametersの中には機械的にまた物理的にその基礎や立脚点が不分明でありながら,因チ間の相関が強いという現象論の結果有用視されているものもあって,混乱しているともいえる。そして最近アナログ演算器の導入によってその組合せの結果一層複雑化し混乱しているともいえよう。従って,同じparameterに関する評価も研究者によって不揃いであるため,一人よがりな評価がされている因子もある。cardiac parametersによって心の何を評価するのかという点にも大きな問題があって,contractilityを判定するのだと言ってもこのcontractihtyという言葉の定義が明確ではない。 myo—cardial contractilityというと心筋の収縮能力が高ければ,cardiac functionは良いと判定できるかというとそうも言えない。全身代謝に必要な送血量が出せなくてもmyocardial contractilityだけは充進しているという状態がある。
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