Japanese
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診療指針
心蘇生法—心臓マツサージ実施法
Cardiac Resuscitation.
井上 雄
1
T. INOUE
1
1慶応大学医学部外科教室
1Keio University
pp.245-250
発行日 1956年3月15日
Published Date 1956/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200345
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最近,全身麻酔法の進歩により,胸腔内臓器に対して手術的侵襲を加える機会が多くなつたので麻酔中または手術施行中に起る心臓停止という問題に対して,外科医の関心が向けられるようになつた。この心臓停止はアメリカにおける統計によると,1000〜2000例の手術に対して1例発生するといわれているから,甚しく稀とは云いえない。しかもこの心臓停止を来たした場合,これを救命しえた症例は僅かに28%にすぎない。この成功例の少ない原因は主として心臓停止の診断並びに蘇生法が遅きに失したためである。
心蘇生法とは心臓停止が起つた際,純酸素による人工呼吸,心臓マツサージ,電気シヨツク,アドレナリンの投与等によつて心搏動を再せしめる方法であり,この蘇生法は心臓停止が起きてより3分以内に行うのでなければAnoxiaによる不可逆性の脳機能障碍を惹起して予後は不良とされている。
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