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編集後記
海崎 泰治
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1福井県立病院病理診断科
pp.1181
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203701
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消化管画像診断学は,切除標本の肉眼所見および顕微鏡所見と画像所見との対比により発展してきた経緯がある.画像診断学の理解を深めるには,画像所見と切除標本の病理所見との対比を行うためのできる限りの適切な取り扱いを実践すべきである.切除標本(病理検体)の正しい取り扱いを知り,関心領域をうまく病理標本化するためには,病理医との意思疎通が重要である.一方で最近の内視鏡装置,内視鏡診断の発展は著しく,拡大内視鏡や画像強調内視鏡の普及により,詳細な組織構築を反映した内視鏡診断が行われており,臨床画像に対応できる病理所見の把握が病理医には求められている.
そこで,本号では切除標本の取り扱いや病理所見との対比の方法について,基本的な作法を踏まえながら,工夫やこだわりを交えて解説いただいた.臨床と病理,双方の立場のマリアージュにより,現在の高いレベルの画像診断学が成り立っていることが再認識できる号になると期待される.
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