Japanese
English
今月の主題 消化管リンパ増殖性疾患の診断アプローチの基本
序説
日常診療における消化管リンパ増殖性疾患
Introduction
上堂 文也
1
Noriya Uedo
1
1大阪国際がんセンター消化管内科
キーワード:
消化管リンパ増殖性疾患
,
消化管悪性リンパ腫
,
内視鏡診断
,
病理組織学的診断
,
ピットフォール
Keyword:
消化管リンパ増殖性疾患
,
消化管悪性リンパ腫
,
内視鏡診断
,
病理組織学的診断
,
ピットフォール
pp.841-842
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203264
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- Abstract 文献概要
リンパ増殖性疾患は生理的なリンパ節腫脹やリンパ増多症を除く,リンパ増殖症の総称である.消化管におけるリンパ増殖性疾患の代表的なものは悪性リンパ腫であるが,近年HIV(human immunodeficiency virus)感染に伴う日和見腫瘍,同種臓器移植患者,自己免疫疾患患者での免疫抑制剤投与により発生する医原性腫瘍が注目されている.
悪性リンパ腫は病理組織学的にはびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫,Burkittリンパ腫,T細胞性リンパ腫,古典的Hodgkinリンパ腫などさまざまな像が認められるが,最近ではHE染色による異型リンパ球の形態学的な診断(大きさ・形状と濾胞形成の有無)に加えて,さまざまな免疫組織化学染色や染色体・遺伝子検査によって診断や分類が行われている.また,治療もHE染色による病理組織学的所見に応じた殺細胞性薬剤による化学療法が主体であったが,最近では分子標的薬や放射線治療の併用や,疾患によってはH. pylori(Helicobacter pylori)除菌治療や免疫不全状態の改善(免疫抑制薬投与の中止)により可逆性を示す場合があることも特徴で,そのためにも正確な診断は不可欠である.
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