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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
大腸
診断
通常内視鏡(炎症)
Diagnosis of Inflammatory Intestinal Diseases by Conventional Colonoscopy
清水 誠治
1
1大阪鉄道病院消化器内科
pp.720-721
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202428
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内視鏡の適応と前処置
腸の炎症性疾患は極めて多彩であり,症候や病歴のみで鑑別することは困難である1).診断にはさまざまな検査を組み合わせる必要があり,内視鏡検査は血便や下痢がみられる場合に実施されることが多い.特に特発性炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)の診断においては,内視鏡検査が必須である.便潜血陽性精査の内視鏡観察で病変が発見されることもある.
検査に際して腸管洗浄液による前処置を行うことが望ましいが,必ずしも全大腸を観察する必要はなく,前処置は排便状況,全身状態,緊急性,必要な観察範囲などを考慮して判断する.下痢が高度な場合や直腸に病変が存在する場合には前処置なしでも観察可能である.アメーバ性大腸炎では腸管洗浄液により付着している壊死物質が脱落し,診断が困難になる場合がある.病変部位や範囲を把握する目的では超音波やCTも有用である.腸管穿孔では内視鏡が禁忌であるが,中毒性巨大結腸症には前処置なしで最小限の送気にとどめれば下部大腸の観察が可能である.
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