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海外文献紹介「小腸および大腸クローン病におけるdysplasia(前癌性変化)の組織像」
小林 世美
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1愛知県がんセンター第1内科
pp.412
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113086
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The Histologic Appearance of Dysplasia (Precarcinomatous Change) in Crohn's Disease of the Small and Large Intestine: S Simpson, J Traube, RH Riddell (Gastroenterology 81: 492~501, 1981)
最近,長期間にわたるクローン病においても癌の発生が増加していると言われ,Weedonらは,対照群より20倍の大腸癌の頻度を計算している.癌を合併したクローン病でのdysplasiaの発生は以前から知られているが,詳しくは研究されていない.著者らは,シカゴ大学で経験された癌を合併した6例のクローン病患者すべてにdysplasiaを認めた.いずれの患者においてもdysplasiaは癌に隣接していた.4例では癌と離れた所にも認められた.その範囲は2例ではびまん性であり,2例では多中心性にみられ,残りの2例では局部的に存在していた.びまん性であった患者の1人では,2つの癌巣を有していた.dysplasiaの程度は,軽度からin situ癌にわたっていた.ある例では高度のdysplasiaからin situ癌を経ずに浸潤性癌への移行を認め,クローン病での癌は,潰瘍性大腸炎でみられるようなin situ癌を経ずに癌が起こりうることを示した.dysplasiaの所は,肉眼的には平坦またはポリープ様で,反応性変化とdysplasiaを見分けることはできなかった.
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