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編集後記
長与 健夫
pp.996
発行日 1980年9月25日
Published Date 1980/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112800
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いずれの臓器癌を対象とするにせよ,まず初めに重要なことは,その癌の肉眼像の全貌というかスペクトラムを把握することである.乳癌なり肺癌なりの診断名がある疾患に対してつけられるにせよ,その名のもとに癌が種々な発育の段階を含めて多彩な様相を示すことは各臓器癌に共通した現象であり,それぞれの分類亜型によって癌の生物学的性質が異なり治療成績や予後に差のあることをわれわれはよく知っている.ここに取り上げられた胃の悪性リンパ腫もその例外ではないであろう.
この特集号では種々な肉眼形態を示す胃の悪性リンパ腫が症例を中心にして紹介されているが,このような取り上げ方は,この病気が胃癌などのようにさほど頻度が高くないので,1つの病院の限られた例だけでは充分になしうることでなく,多くの病院から症例をもち寄ってそれを系統的に検討することによってはじめて可能になるわけで,その点この特集号は高い意味と価値をもつものと思う.
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