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編集後記
長与 健夫
pp.970
発行日 1977年7月25日
Published Date 1977/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112642
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時代の移り変りとともに少しずつ変ってゆくのは,われわれの年齢や家庭環境,社会生活ばかりでなく,病気の内容もそうである.胃という臓器に限ってみても,診断の著しい進歩という要素を含めてみても,このことが当てはまるように思われる.腸型癌が減りはじめびまん型癌が比較的にふえてきていることなどは,この辺りの事情を如実に物語っているのではあるまいか.
この号にとりあげられた残胃の病変は,上に述べたこととはやや違った要素をもってはいるが,長い目でみると世の中の移り変りの1つの反映ともいえるだろう.昔から残胃癌や吻合部潰瘍はこの領域の1つの問題点であったことは間違いないが,今ほど身近な問題ではなかったように思う.胃の切除術が普及してからかなりの年月が過ぎ去ったことが1つのそして主な理由であることは,この号を通読されればお判りいただける筈である.
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