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編集後記
望月 孝規
pp.938
発行日 1971年6月25日
Published Date 1971/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111717
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いわゆる慢性胃炎といわれる胃粘膜の変化の中で,粘膜の萎縮と共に,本来の胃粘膜には所在しない腸上皮が次第に出現して来ることが,古くから知られていた.腸の上皮は,発生学的には胃の上皮より早く出現し,より低分化なものと考えられており,一方,胃癌のある型の細胞がこの化生性の腸上皮と形態学的に類似しているので,この化生性腸上皮と胃癌との因果関係についても,議論されて来ている.今回は,胃癌との関係のみに止まらず,さらに腸上皮の分布,酵素組織学的特性,臨床的診断上の問題点について,執筆していただいた.問題の本質上,組織学的立場にかたより過ぎたが,わが国のこの方面における研究水準の高さを示すものである.
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