今月の主題 胃の多発性潰瘍
展望
消化器とME
綿貫 喆
1
1東京慈恵会医科大学外科
pp.1181-1188
発行日 1967年9月25日
Published Date 1967/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110524
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Ⅰ.いとぐち
エレクトロニクスの技術を医学に導入する医用電子(Medical Electronics,一般にMEと略して呼ばれる)の研究がわが国でも年々さかんに行なわれるようになり,毎年開催される日本ME学会の大会にも工学,医学各方面から沢山の研究成果が発表されている.しかし循環系に関するMEの研究はきわめて多岐にわたってさかんであるのに反して,消化器系に関するMEの研究はそんなに多くはなく,昭和42年5月に開催された第6回日本ME学会大会における一般演題124題のうち消化器に関するものはわずかに4題にすぎない状態である.しかし少ないとはいえ数え立ててみると,消化器に関係あるMEもなかなか多く,その主なものをあげても次のように各方面のものがある.
1)消化管平滑筋運動に関するもの.
2)消化管内腔に変換器(transducer)を入れてテレメータリングを行なうもの―いわゆるカプセルと呼ばれるもの.
3)ラジオアイソトープ
4)内視鏡による写真撮影
5)電子顕微鏡
6)超音波診断
7)制御装置を応用するもの.―消化管のペースメーキング(pace-making).
8)生体作用機器―超短波治療器,超音波治療器や種々の放射線治療装置がある.また日常使われる電気メスも高周波を利用したものである.
9)電子計算機によるデータ処理,その他のオートメーション化.
10)生体現象の記録,観察への応用.
11)Image amplificationや生体現象の同時記録.
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