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海外文献紹介「脳腫瘍を合併した家族性大腸ポリポーシス」
白子 順子
1
1愛知県がんセンター消化器内科
pp.255
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110403
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Brain tumors in familial adenomatous polyposis: Kropilak M, et al (Dis Colon Rectum 32: 778-782, 1989)
familial adenomatous polyposis(以下FAP)は常染色体優性遺伝で大腸にadenomaが多発し100%悪性に変化する可能性があると言われている.最近,FAPのポリポーシスは生まれたときには存在せず,思春期前に発症し30代後半で多数のポリープとなることがわかってきた.脳腫瘍がFAPに合併する場合(Turcot症候群),脳腫瘍は他の合併病変と違って,ポリポーシスが完成する前に合併している.このことを明らかにするため著者らは168のFAP家系の中の13人のTurcot症候群について,ポリポーシスの診断年齢,脳腫瘍の診断年齢,性,合併するその他の病変,家族歴,死亡年齢とその原因などについて検討した.その結果,13人は男5人,女8人で,ポリポーシス診断の平均年齢は22歳,脳腫瘍の診断平均年齢は15歳で,92%の症例がポリポーシスの診断前に脳腫瘍を診断されていた.
Brain tumors in familial adenomatous polyposis: Kropilak M, et al (Dis Colon Rectum 32: 778-782, 1989)
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