Japanese
English
今月の主題 大腸pm癌
序説
大腸pm癌の浸潤パターンと臨床診断の問題点
Introduction
丸山 雅一
1
Masakazu Maruyama
1
1癌研究会附属病院内科
キーワード:
大腸pm癌
,
深達度
,
浸潤パターン
Keyword:
大腸pm癌
,
深達度
,
浸潤パターン
pp.1249-1252
発行日 1992年11月25日
Published Date 1992/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110024
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深達度と浸潤パターン
大腸の各層構造の中では固有筋層は最も厚い層である.したがって,癌浸潤の最深部を深達度と定義するだけでは,その多様性を表現できない.言い方を換えると,単に深達度というコンセプトでpm癌を考えたのでは事の本質を見失うのではないか.あくまでも,癌の厚さを浸潤パターンと見なして,病変群を類型化し,臨床診断と治療の有り方を検討すべきではないのか.
X線診断の立場から言うと,pm癌による変形はあまりにも多様性に富んでいる(Fig. 1)1).ということは,pm癌の深達度は診断できないということである.これは,筆者が既に記載している1).しかし,側面像における変形と深達度の関係を分析したこの仕事の目的は早期癌の診断の可能性に向けられすぎていたために,pm癌の場合の変形が何故このように多彩であるのかということについては,1つの解答を得ていたにもかかわらず,それを書き留めておく余裕がなかった.また,その解答に基づいて,pm癌の病変を整理しておくことを怠ってしまった.
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