早期胃癌研究会
1992年5月の例会から
西元寺 克禮
1
,
渕上 忠彦
2
1北里大学医学部内科
2松山赤十字病院消化器科
pp.862-863
発行日 1992年7月25日
Published Date 1992/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109925
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早期胃癌研究会の5月例会は5月20日,松山赤十字病院消化器科・渕上と北里大学内科・西元寺の司会で行われた.
〔第1例〕58歳,勢性.早期食道癌(症例提供;都立駒込病院内科門馬久美子).読影はX線,内視鏡ともに鈴木(岐阜大放射線科)が担当した.X線上は小穎粒状隆起を伴う陥凹性病変で径3cmの粘膜癌(mm)と読影したが,色素内視鏡ではこれより狭い範囲の0-Ⅱc型早期癌という意見であった.病巣周囲の小隆起の成因として神津(千葉大2外)より,癌のもぐり込み,リンパ濾胞の増生などを考えなければならないとのコメントがあった.粘膜切除術(strip biopsy)で摘出された病変の病理は岩崎(駒込病院病理)が説明した.病変は15×7.5mmの0-Ⅱc型早期癌で,ヨード染色で見ると馬蹄型の不染帯とその肛門側に縦走する病巣を認め,わずかにmmに浸潤していた(Fig. 1).食道癌の深達度診断に関して"たたみ目模様",トルイジンブルーによる染色の態度などが特にep癌とmm癌の鑑別に重要だというコメントが神津,吉田(駒込病院外科)よりあった.
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