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今月の主題 臨床の場における上部消化管スクリーニング法―X線と内視鏡
序説
臨床の場における上部消化管スクリーニング法―X線と内視鏡
Editorial
西沢 護
1
M. Nishizawa
1
1東京都がん検診センター
pp.9-10
発行日 1983年1月25日
Published Date 1983/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109229
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上部消化管スクリーニング法としてX線と内視鏡のいずれが優先するかなどという問題は5,6年前まではとても考えられないことだった.そのころまでは直視の内視鏡が側視に勝るという人も非常に少なかったし,実際盲点なく観察できる良い直視鏡がなかった.
ちょうど10年前になるが,西ドイツのHeinkel教授の病院に1週間ほど滞在する機会を得たが,そのとき直視の内視鏡を自信をもって使用し,良い直視鏡を作ることが最も重要な課題だと主張されていた.半信半疑で耳を傾けながらX線検査との対比をさせられ,汗だくになって真剣に二重造影像を撮った記憶がよみがえってくる.当時はまだ良い直視鏡がなかったので,むしろ二重造影像の微細変化の描出力を高く評価され,ルーチン検査はX線か内視鏡かなどを論ずるまでに至らなかったが,Heinkel教授の先見の明に今更ながら敬服している.というのは筆者自身が1978年より,今まで用いてきた側視をすべて細径の直視鏡に切り替えたからである.広角で操作性が良く,盲点が非常に少なくなり,観察も撮影されたフィルムも著しく改善され,総合的にみれば今までの側視鏡に劣ることがない.
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