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書評「血液ガス わかりやすい基礎知識と臨床応用」
井川 幸雄
1
1東京慈恵医科大学
pp.44
発行日 1979年1月25日
Published Date 1979/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107590
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呼吸という燃焼の過程が動物のエネルギー代謝の基本にあることは,ラボアジェにさかのぼる知識である.つまり,人間もロウソクと同様に燃えてその生命を維持しているのである.ところで,その最初の過程である肺におけるガス交換の成否は直ちに血液ガスの値にはね返ってくるわけで,いわばこの値は生体の基本的な生理恒数の1つといってよい.
血液ガス測定の最初はVan Slykeの検圧法,あるいは検量法に始まり,現在では種々の電極の組み合わせによる自動化機器がもっともポピュラーになっている.このため,血液ガスの用語には検圧法に関連した用語も多く,また多くの歴史的由来をもつ概念も多い.また使用される記号の体系もかなり複雑になって初学者にとりつきにくさを与えていることも事実である.
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