今月の主題 血液ガスの基礎と臨床
グラフ
血液ガス測定器のいろいろ
井川 幸雄
1
1慈恵医大中検
pp.161-167
発行日 1975年2月10日
Published Date 1975/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205769
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Van Slykeの検圧装置
この装置はガラス製の検圧用の管(マノメーター)とその支持台(写真左側)と反応室およびその駆動部分からなっている.
水につつまれた反応室内にガス抽出剤(乳酸,サポニン,フエリシアンカリの混合液)を入れ,血液(1ml)を混じ,陰圧にして遊離の気体(O2,CO2,N2など)を抽出したのち,気体の体積を一定(2ml標線使用)にし,そのときの圧をマノメーターで読む.ついでCO2吸収剤(NaOH)でCO2を除いて検圧し,さらにO2吸収剤(ハイドロサルファイトとアントラキノンβスルフォン酸ナトリウム)でO2を除いて検圧する.これらの結果から血液のO2および総CO2含量(溶存CO2+重炭酸塩)を求めることができる.定比例,倍数比例の法則など気体の廷質を知ることが化学の理論のスタートであることや有機化合物の分折が炭素をCO2,水素をH2O,窒素をN2としてガス分肝で求めたことを考えても,ガス分析は化学分析の本道ともいえる.しかし現実には試薬の脱気,嫌気的取り扱いなど,1検体の分析に水銀上下のための下のストップコックを20回,試薬,検体の注入のために上のストップコックを10回動かさなければならないなどの"手数"のため,臨床化学分析としては極めて不人気である(写真は臨床検査2)より).
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