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編集後記
松川 正明
pp.486
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106154
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本特集のアフタ様病変は,いわゆる口腔内のアフタに類似した病変で,比較的よく遭遇する病変である.“腸管アフタ様病変”は,アフタに類似した病変をやや幅広くとった病変であり,びらんから小潰瘍まで含んでいる.ほとんどの炎症性腸疾患(感染性を含む)にみられる.本特集ではそれ自体小さな病変であるアフタ様病変から疾患の鑑別診断を形態学的な立場(病理学的所見,X線所見,内視鏡所見)で述べているが,これらの所見には検査方法によって微妙なニュアンスの違いがあることは仕方がない.しかし,これまでアフタ様病変として一括していた所見が,本特集によりアフタにも形態学的にみて種々の特徴があって,病変に対する注意深い観察が必要であることが理解されれば,本特集を組んだ甲斐があることになる.アフタ様病変は組織学的所見と共に免疫学的な関連性が注目される所見である.今後,このアフタ様病変の重要性は,臨床例の増加により明らかになると思われる.
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