Japanese
English
今月の主題 大腸sm癌の細分類とその意義
序説
大腸sm癌の細分類とその意義
Introduction
下田 忠和
1
Tadakazu Shimoda
1
1国立がんセンター中央病院臨床検査部
キーワード:
大腸sm癌
Keyword:
大腸sm癌
pp.1115-1116
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105932
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はじめに
早期大腸癌の発見が増えるにつれ,その内視鏡的治療の機会も確実に増加している.しかし,内視鏡的治療を行うための大前提は,深達度診断が確実になされることである.内視鏡的治療の適応は早期胃癌ではかなり議論がされ,一定の基準が出され,それに沿って行われているが,早期大腸癌ではそれがいまだ十分に議論されていない.現実に病理診断の中で,どうしてこんなsm浸潤癌を内視鏡的切除をしたのかと思うこともときにある.大腸sm癌の特集は本誌の18巻8号(1983年),27巻8,9号(1992年)の2回にわたって組まれているが,このときは主として癌浸潤の程度によるリンパ節転移あるいは再発が論じられた.前回から2年で再びこの問題が論じられることとなった.これは,この数年で多数の表面型大腸腫瘍が発見されると共に,sm癌の頻度も急速に増加したことにもよる.また,同時に改めて先のような理由で治療にも大きな問題が提起されてきたこと,更にこのsm癌の解析により表面型腫瘍との関係,すなわち癌の初期病変から進行癌に至る過程を,解析できる時期になってきていることなどが,再び取り上げられた大きな理由である.
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