Japanese
English
症例からみた読影と診断の基礎
【Case 17】
Introductory Course for Practical Diagnosis〔Case 17〕
望月 福治
1
,
安藤 正夫
1
,
三島 利之
1
,
長南 明道
1
,
熱海 稔
1
Fukuji Mochizuki
1
1JR仙台病院消化器内視鏡センター
pp.1738-1741
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105269
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〔患 者〕 47歳,男性.検診で便潜血反応陽性.注腸検査でポリープを指摘され紹介された.S状結腸病変である.
読影と解説
最終診断:微小陥凹型早期S状結腸癌,深達度sm2以深,ly0,v0,n0.
1.X線所見
S状結腸にバリウムをのせながら撮影すると,薄層像に近い二重造影像が得られ,不整形のバリウムの溜まりを伴う隆起性病変が描出された.陥凹部の辺縁はわずかな毛羽立ち様の所見を呈し,一部なだらかな部分もみられるが,周囲の隆起部の立ち上がりは基本的に急峻である(Fig. la).圧迫像も重要な診断手技である.強く圧迫すると,バリウムの溜まりは明らかで,陥凹が深いことがわかる.隆起部の辺縁のラインは全周性に明瞭に追うことができ,ある程度の高さを持った病変であることが示唆される(Fig. 1b).深達度診断を目的とした側面像では,病変部におけるわずかな伸展不良様の所見を認めるが,対側にも同様の変化があり,明らかな側面変形像とは言い切れない(Fig. 1c).
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