特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
アップルコアサイン(apple-core sign)
松本 誉之
1
,
小林 絢三
1
1大阪市立大学第3内科
pp.324
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103996
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apple-core sign(アップルコアサイン)は大腸の進行癌のX線的特徴としてあまりにも有名である.このような変化は,2型の進行大腸癌にみられるとされている.
このサインは,注腸造影で認められる異常のうち,両側性狭窄像の1つに分類される.具体的には,全周性の狭窄が存在し,その狭窄部の粘膜像は,上皮性変化を反映して辺縁の不整・けばだちなどを認める(Fig. 2).大腸が管腔臓器であり撮影方向による変化,体位変換によるバリウムの流出などで,狭窄部の中のクレーターがはっきり描出されないことも多い.もう1つの特徴は,健常粘膜との境界が明瞭で,立ち上がりがゴツゴツとして急峻なことであり,スパスムスや炎症性疾患による狭窄との鑑別に屯要である.また,急峻な立ち上がりを示す部分が一方向のみの場合には,umbrella sign(アンブレラサイン)と称される.
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