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編集後記
西澤 護
pp.118
発行日 1991年1月25日
Published Date 1991/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102446
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1例の早期胃癌を見つけだすことに情熱を傾け,汗を流し,組織診断が確定したときの喜びと生きがいを感じた30年前に比べれば,胃の形態学は何と進歩したことか.
もう行きつく所まで行ったのではないかと,何度も思ったことがあるのは,筆者だけではないと思う.特に生検で消失してしまうような微小癌を見つけたときには,なおさらその思いを深くした.しかし,それらの微小癌の限界の追求が,非観血的治療に結びつき,深達度診断の必要性がエコー内視鏡を生みだし,電子スコープやCRの開発が,画像の向上だけでなく画像処理という未知の世界を開かせたように,早期癌診断から派生してきたもろもろの分野は,ますます拡がるばかりである.
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