増刊号 図解 診療基本手技 第2集
基本的な臨床検査と画像診断法
頭部CT
鎌田 憲子
1
1名古屋大学医学部・放射線医学
pp.174-179
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909677
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X線CT装置の普及に伴い,頭部CT検査はほとんどスクリーニング的に日常診療の場で行われており,脳血管障害や脳腫瘍の診断に欠くことのできないものとなっている.
しかし,CT像はX線吸収値の差をコンピュータで計算させて撮像したものであるので,変性疾患のようにあまり吸収値に差のでないような病態の診断に対しては有用ではないことも多い.また,横断画像以外の断面を得ることは難しいという制約や,beam hardeningのようなアーチファクトを生じやすいという欠点などもある.このような欠点があることから,もはやX線CTの時代は終わったような意見を述べる研究者もあるが,検査に要する時間や装置の普及度などを考えると,まだまだX線CTの果たすべき役割は大きいと思われる.筆者の個人的な意見ではあるが,X線CTとMRIとはお互いに相補の関係で進んでゆくものと思われる.
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