増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—総合エコー法
胸部・呼吸器
檀原 高
1
1順天堂大学医学部呼吸器内科
pp.64-68
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907695
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呼吸器領域における超音波診断の特性と検査手順
超音波診断装置の基本原理はプローブ(探触子)から発生した高周波の反射波を電気的に画像化したものである.超音波の特性として理解しておかなければならないことは,骨組織に当たると超音波は吸収され,また空気に当たると超音波はすべて反射してしまうことである.したがって,呼吸器領域の超音波診断法を実施する際には,骨性胸郭と含気性肺の存在が超音波の伝達に妨げとなる.しかし,肺内であっても含気のない構造が胸膜に接して存在すれば,超音波診断法での画像化が期待される(図1).つまり,体表からの超音波診断法では,目的とする構造と超音波プローブの間に骨組織や空気が存在しないどうかを常に念頭に置く必要がある(図1,2).
図3は,呼吸器領域の超音波診断に用いられる主な超音波像の体表断面を示したものである.体表からの超音波診断法のアプローチの基本は,骨組織を避けて良質の画像を入手することが最も重要である.
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