今月の主題 症例から学ぶ水電解質・酸塩基平衡異常
症例・疾患と水電解質異常
慢性腎不全—透析導入期の水電解質異常
山本 裕康
1
,
細谷 龍男
1
1東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科
pp.960-963
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907508
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【症例】46歳,男性.32歳時に健康診断にて血尿.蛋白尿を指摘されるも放置.38歳時より高血圧にて降圧薬(Ca拮抗剤)内服治療が開始される.この時期,夜間に3〜4回の排尿と口渇感を認めていた.3ヵ月前より,息切れ・食欲低下・筋痙攣・下腿浮腫が出現.1週間前から,嘔気・両下腿灼熱感・臥位にて呼吸苦を自覚するようになり緊急入院となった.直ちにループ利尿剤の投与と少量のドパミンを併用したが,尿量の増加は得られず,徐々に全身状態の悪化を認め,第2病日より血液透析を開始した.
身体所見:身長172cm,体重76kg,血圧186/102mmHg,両下肺野にて湿性ラ音聴取,頸静脈怒張,腹部にて肝2横指触知,両下腿浮腫(+),手指振戦(+),深部腱反射充進(+)
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